骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム、たんぱく質、リンの量が減り、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。
特に40代後半〜(閉経後)の女性に多く見られ、気付かないうちに背中が曲がってしまい、腰痛や背中の痛みが生じることもあります。
また、背骨が曲がると、内臓を圧迫して呼吸機能や消化管運動にも影響を及ぼす危険性もあります。
骨粗しょう症だと、体全体の骨が脆くなり、ちょっとつまづいて転んでしまった場合など、ささいなことで骨折してしまう可能性が高くなります。
そのため治りも悪く、腰や足の付け根が折れてしまったら、最悪の場合、寝たきりや車椅子などの生活を強いられてしまいます。
骨粗しょう症は脳卒中に次いで多い、寝たきりの原因のひとつになっています。
骨粗しょう症はほとんど自覚症状がありません。気づいた時にはもう骨がスカスカに・・・。
まずは自分の骨密度を測ってみましょう。
検査1 骨密度を測ります
健康な若い成人者の平均骨量の70%に満たない場合は骨粗しょう症であると診断されます。
検査2 骨折を調べます
腰椎のレントゲンで、明らかな外傷がないのにもかかわらず圧迫骨折をおこしていないかどうかチェックします。
骨粗しょう症と診断されたら・・・
骨粗しょう症と診断された場合は、先生とよく相談したうえで改善していきましょう
日常の食生活の改善や運動の習慣など患者様ご自身に関心をもっていただくことが大事ですが、その他の検査結果をもとに、その人にあったお薬を選択し、処方させていただきます。
毎日の生活習慣で骨を強くすることを心がけましょう。
1.カルシウム・ビタミンD・ビタミンKを多くとる
「カルシウム」の多く含まれる乳製品、大豆製品、小魚、緑黄色野菜を取りましょう。
鮭などの魚や卵黄やきのこに多く含まれる「ビタミンD」は、カルシウムを骨に吸収させるための働きがあります。
また骨代謝を改善する「ビタミンK」を豊富に含んだ「納豆」、「小松菜」などもメニューに取り入れましょう。
2.骨も運動で鍛えましょう
日々の運動習慣を身につけ、適度に骨に負荷をかけてあげることが、骨の密度を保ち骨折を予防を促すことができます。
また、屋外にでて日光に当たることで皮膚から体内へのビタミンD産生を促すことができます。
散歩(ウォーキング)や買い物に行くなどこまめに体を動かすことを心がけてください。
● 歯医者さんでの抜歯に注意!
骨粗しょう症の治療をうけていない患者さんは、抜歯の際に骨折や治りが悪いという可能性があります。
治療をしている場合でも、骨粗しょう症の治療にも使われるビスホスホネート製剤の投与を受けていると顎骨壊死・顎骨骨髄炎などを起こす場合がありますので、骨粗しょう症の治療をしていることを歯医者さんに言い、お薬の名前がわかるようにしましょう。そのお薬を使っている場合は、お薬の一時的使用の中止などの処置をします。
● ビスホスホネート製剤とは
ビスホスホネートは破骨細胞の活性を阻害して、骨吸収を抑制する薬剤です.
そのため、骨粗しょう症、リウマチ性関節炎、パジェット病のような骨代謝疾患、そして悪性腫瘍など、多くの疾患に使用されている効果の高いお薬です。
特に悪性腫瘍では、骨に転移する性格を持つ乳癌や前立腺癌、骨髄腫で高率に投与されています。
注射や経口剤で投与されます。